THE NONEXPERT a view, not a verdict.

WTI原油の今後:なぜ2〜3四半期は84ドルが「底値」として機能し得るのか

今後2〜3四半期にわたり、WTI原油価格が1バレルあたり90ドル近辺で推移するシナリオを描くならば、4月16日および17日に記録した84ドルという水準は、構造的な下落トレンドの始まりではなく、一時的な「底」であるはずだ。この前提が成立するには、3つの条件を同時に満たす必要がある。ホルムズ海峡の通航正…

タンカー保険は嘘をつかない

4月7日、ワシントンとテヘランの間で停戦をめぐるレトリックが外交ルートを通じて流れ始めた。2026年に入り1バレルあたり119ドルまで高騰していたWTI原油は、一瞬の停滞こそ見せたものの、その後はスルスルと値を下げ、4月11日には直近の高値から11%下落の96ドルまで沈んだ。前回、ホルムズ海峡が構造…

115ドルの原油価格――まだ誰も切っていない「隠し札」

4月末、WTI原油先物は1バレル=115.3ドルで取引を終えた。わずか3ヶ月前の56.0ドルから106%もの急騰だ。あまりに鮮やかで、あまりに容赦のない上昇ぶりに、市場はもはや「何がこの流れを止めるのか」という問いすら忘れかけている。

原油価格は四半期で倍になった。ホルムズ海峡は世界の海上原油輸送…

114ドルの原油価格が見落としているもの

原油価格が適正水準にあっても、それを運ぶコストが密かに武器として使われ始めたら、世界のエネルギー市場はどうなるだろうか?

ブレント原油は114ドル、WTIは112ドル。市場分析の多くは、そこで止まっている。ブルームバーグのティッカーに流れるような、キリの良いヘッドライン上の数字だけを見て満足してい…

今、注目すべき唯一の数字は「期間」である

トレーダーたちが恐れているのは、WTI原油価格が112ドルという数字そのものではない。その先に何が待ち受けているかが見えないことだ。今この市場を動かしているのは、精緻なスプレッドシートの分析ではなく、今後6ヶ月間がどのような姿になるのかという、正体不明の、しかし根深い「期間に対する恐怖」である。

ホルムズ海峡、このまま「完全再開」が叶わなかったら?

もしホルムズ海峡が、数週間どころか数ヶ月にわたって「完全再開」しなかったら——。一体、世界はどうなるだろうか。

市場はまだ、この問いに明確な答えを出せていない。2026年3月31日のWTI原油先物は1バレル104.2ドルで引けた(期近物データによる)。1月の57.4ドル、2月の60.6ドルから見れ…

市場が織り込んでいるのは「戦争」ではない。「ホルムズ海峡」というコストだ。

相場には、恐怖とも強欲とも違う、独特のムードが漂う瞬間がある。それは「計算」の匂いだ。今、石油市場を動かしているのはまさにそれだ。パニック的な買いでも、空売りの踏み上げによるノイズでもない。産地から需要地へ原油を運ぶために、一体いくらのコストがかかるのか。その前提が、冷徹かつ組織的に書き換えられてい…